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日中の眠気対策

お腹いっぱいランチを楽しんだ後、午後眠くて仕方がない…。
会議が長引き、ついウトウト…。みなさんにもこんな経験はありませんか?
ここでは、日中の眠気の原因や眠気対策についてご紹介します。

 

そもそも、なぜ人間は夜に眠るの?

リズム機構 人間は、祖先であるサルの頃から、他の動物に比べて視覚に頼って生きているので、日中に活動して暗くなる夜間を休息にあててきました。 また、夜行性の猛獣(敵)が休息している日中に活動し、 敵が活動している夜間は身を守るようにおとなしく寝ていることが、 生き抜いていくための術であったとも考えられます。
脳の働きとしては、日光が目にはいることで脳が朝を認識して体温を上げ、 日中の活動に適した状態にします。朝を認識してから約15時間ほどすると、 脳はメラトニンというホルモンを全身に分泌させ、体温・脈拍・血圧を下げて眠りにつく準備をします。 このような、夜だから寝る仕組みを「概日リズム機構」といいます。

 

 

では、なぜ昼間に眠くなるの?

上述したとおり、本来人間は夜になると眠るよう、脳にインプットされています。 しかし、日中の眠気はみなさんもご経験のはず。日中の眠気の原因としては、以下のことが考えられます。

 

1.睡眠不足・疲労蓄積

ホメオスタシス 夜間充分な睡眠が得られなかったり、疲れがたまって日中に眠気に襲われるのは、 「概日リズム機構」とは異なり、「ホメオスタシス機構」という、疲れたから寝る仕組みによって起こります。 遅くまで起きていて大脳を酷使すると、温度が上昇しオーバーヒートしてしまいます。 そこで、大脳の温度を下げ休息させるために眠ろうとするのがこの仕組みです。 この仕組みにより、睡眠不足や疲労蓄積時当夜には、脳がより深く休息し熟睡できるといわれています。

 

2.食後の消化活動

消化活動 食後は、食欲が満たされた満足感から副交感神経が優位になり、リラックスして眠くなります。 消化には多くのエネルギーを必要とするため胃に血液を集め、副交感神経を優位にし、 消化以外の活動を抑えようとするのです。

 

3.概半日リズム

概半日リズム 人間の眠気のリズムには一日周期のもの(概日リズム)と半日周期のもの(概半日リズム)があり、 日中の眠気はこの概半日リズムによるものです。人によって異なりますが、だいたい午後2時頃が 日中の眠気のピークだと言われています。半日の間にも、活動と休息のリズムがあるんですね。

 

4.単調・退屈感

単調・退屈感 人間は脳に刺激がないと眠気を感じます。学生が興味の湧かない授業で居眠りしてしまうのはこのためです。 電車での居眠りも線路の単調なリズムが影響しています。会社でも単調な作業の繰り返しや、退屈な会議中についウトウト… なんてこともあります。これを応用して、なかなか眠れない夜は、難しい哲学書を読んだり、単調で静かな音楽を聴くとよいかもしれません。

 

5.疾病・その他

疾病 日中の耐え難い眠気が続く場合の代表的な疾病等をあげてみましたので、疑いのある方は専門医への受診をお勧めします。

●ナルコレプシー
症状として、A.反復する日中の居眠りが毎日のように、少なくとも3ヶ月以上継続する B.情動脱力発作がある場合、ナルコレプシーの可能性があります。 日中の耐え難い眠気によって居眠りすることが毎日のようにあると、社会生活を送ることが困難になってきます。 また、情動脱力発作(陽性の強い感情が引き金となり、全身または身体の一部の姿勢筋の緊張が両側性に突然消失する発作)により、 例えば、道を歩きながら友人と大笑いしたとたんに、全身の力が抜けて転んでしまうなど、ともすると怪我を負う可能性もあります。

●うつ病
うつ病の一般的な睡眠障害として、入眠困難(寝付きが悪い)、熟眠障害(ぐっすり眠れない)、中途覚醒(よく目が覚める)、 早朝覚醒(朝早く目が覚める)等の不眠に関わる症状はご存じの方も多いと思いますが、逆に過眠の症状がでることもあります。 日中、寝てばかりいるか眠くて仕方がないといった症状が、身体の疲労や自分の意志とは関係なく起こることが特徴です。 ちなみに、過眠とは別に、夜間の睡眠時間が極端に長くなったり、朝になってもなかなか起きることができない、 などの睡眠過多という症状が出ることもあります。

●睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に何度も呼吸が止まる疾病で、1時間あたり5回以上の呼吸停止、もしくは低呼吸(呼吸量が正常の1/2以下になるもの)が診断基準となります。 睡眠中に何度も呼吸が止まることから中途覚醒も頻発し、充分な睡眠が得られず日中に強い眠気を感じます。 また、血圧の上昇・虚血性心疾患・脳血管障害などが生じる原因ともなります。この疾患は中高齢男性に有病率が高く、肥満が原因のひとつです。 本人に自覚がない場合が多いので、■習慣的にいびきをかく ■太っている など当てはまる方は、ご家族などに注意深く睡眠時の状態を観察してもらいましょう。

●薬の副作用
薬 睡眠薬の作用が日中まで持ち越す場合と、抗うつ薬や精神安定剤、内科系の薬の副作用による場合とがあります。 あまりに日中の眠気がひどい時は、服用中の薬に関係がないか、医師や薬剤師に確認してください。

 

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